養生訓という本の感想

養生訓とは、三千年の伝統を誇る中国の漢方医学書や養生書から日常生活に役立つ記述を集め、それに生まれつき病弱ながら当時としては超寿命である83歳まで生きた江戸時代の儒学者、貝原益軒自身の体験と知識を加味した教えであり、時代を超えた真理と智恵が隠されており、現代でも読み継がれているものであります。

治療に携わる私としては大変有益な内容であり、その中でも興味のある箇所を抜粋してお伝えしたいと思います。

「節度ある飲食こそ基本」 人の身は天地から”元気”を受けて生まれてくるけれども、飲食によって養っていかなければ命を保ってはいけない。”元気”は生命の本質であり、飲食は生命の養いである。

それゆえ、飲食の養分は人が生きていく日々唯一の補いであって、半日もかかすことはできない。しかしながら飲食は人の大欲であって、口と腹の好むところである。好むからといって勝手気ままに取れば節度を越え、必ず胃腸を痛め、もろもろの病を生じ、命を失うことになる。

したがって養生の道は、まず胃腸を整えるのが要となる。胃腸を整えるのは人の体にとって第一の養生ある。

「腹八分目」 美味、珍味の食べ物が出てきても腹八分でやめなさい。十分に飽食するとあとで災いとなる。少しのあいだ欲をこらえれば、あとの災いはない。

少し飲み食いして味の良いことを知るのは多く飲み食いして満腹になって飽きるのと、楽しむことでは同じであるのにのちの災いはない。およそ物事は十分にしてしまうと必ず災いになる。とくに飲食は満足するまで食べてはいけない。

「食事は抜くことも必要」 朝食がまだ消化していなければ昼食をとってはいけない、菓子などの間食をとってもいけない。昼食がまだ消化していなければ夕食を食べてはならない。

前夜の夕食が滞っていれば朝食をとってはいけない。もし前の食事が消化していなくても、次の食事をとりたいときは量を半分に減らし、酒や肉は断つべきである。(お腹が空いてないのに、いつも食事をしている時間なのでと無理に食べる行為です)飲食を制限すれば軽い症状なら薬を用いなくても治る。

私自身、体が不調の時は無理に食事はしないようにしています。三食お腹いっぱいに食事をとると、胃腸、肝臓、膵臓などが24時間フルに働き、体の回復、修正に必要な血液が胃腸に集中します。

そうなってくると自然治癒力が落ち、さまざまな症状の治りが遅くなり、また再発もしやすくなります。

私の個人的な考えとしましては、肩こりや腰痛などで気をつけるべき生活習慣は、まず第一に食事だと感じております。

私自身、一日二食で腹五分目の食事を一週間実践したところ、20年間痛かった股関節痛が治った経験をしました。三食しっかり食事をしていて体に長年の不調をかかえている方は一度試してみる価値はある健康法だと思います。